Independent Consultant – フリーコンサルタントの実態

フリーコンサルタントの実態 ~より充実したON&OFFを求めて、コンサルティングファームから独立して個人事業主として働く(2021年版)

フリーコンサルタントにコワーキングスペースは必要か

   

ソフトバンクが出資したWeWork界隈が騒がしい今日この頃ですが、昨今、特に都心では、このWeWorkに代表されるお洒落なコワーキングスペースが非常に増えています。これはきっと、需要が高いのと、簡単に造ることができ供給がしやすいのと、その両面があってのことでしょう。

個人でコンサルタントとして働いている者にとってそういったコワーキングスペースが必要かどうかは、その方のコンサルティングスタイルや従事している案件、そしてご自宅の作業環境等によります。
例えば「現在従事している案件が100%常駐で、資料持ち出し等の制限も厳しいため、クライアントのオフィス以外で作業をすることがない」という方や「一人暮らしで自宅に十分な作業環境を整えてある」という方にとっては作業環境としてのコワーキングスペースは基本的には不要でしょう。

一方で「客先に行くのはミーティング時のみ。作業場所は別途必要だけれど、自宅には小さな子どもがいてなかなか作業に集中できない」といった方にとってはこういった、自宅でもない、客先でもない”第三の場所”はとても有用だろうと思います。

私自身もそういった”第三の場所”を使っています。個室や固定デスクではなく、空いている席を都度選んで使える、いわゆるフリーアドレス制の月額会員制のところを契約しています

実際にそういったところを使うようになって感じた最大のメリットは「作業に集中できる」、これに尽きると言っていいでしょう。

「コワーキングスペースを使うと作業に集中できる」と聞くと
「クライアントのオフィスでもいいんじゃないか」
「自宅じゃダメなのか」
「カフェよりいいのか」

といった疑問を持たれるかもしれません。
コワーキングスペースを使うと月額の固定費がかかります。クライアントのオフィス、自宅、カフェのいずれかで事足りるのであれば、その経済的デメリットを負ってまでコワーキングスペースを使う必要はないんじゃないか、私も実際に使い始めるまではそう思っていました。

以下に、クライアントのオフィス、自宅、カフェのそれぞれについて、私の思うところを書いてみます。

クライアントのオフィスよりコワーキングスペースが集中できる理由

これは、クライアントのオフィスにいると、そこにいるだけでクライアントの方から話しかけられたり内線がかかってきたりしますが、コワーキングスペースではそのようなことがないというのが大きいです。
私に話しかけてくる人が全くいないため、1時間いーば1時間まるまる、やりたい作業に没頭できます。

自宅よりコワーキングスペースが集中できる理由

私の自宅の作業環境はそれなりに充実している方だと思います。
幅の広いデスクにディスプレイを置いていてノートPCと併せてデュアルディスプレイ環境を整えていますし、椅子もヘッドレスト付きのオカムラのコンテッサという、こだわったものを使っているので、長時間座っていても疲れることがありません。また椅子に座ったまま後ろを振り返れば壁一面が本棚ですので、必要な資料・書類がすぐに取り出せます。

このようにハード面では申し分のない作業環境ではあるのですが、問題はソフト面です。

ひとつは「家族」です。特に「子供」ですね。
私が家にいるとどうしても子供が話しかけてきたり、遠くの部屋にいても大きな物音が立ったりして、作業への集中力が削がれることがあるのが現実です。
確定申告を含む経費周りの整理なと、数字を扱うような作業のときはいいのですが、思考を深める必要のある、より本質的なコンサルティングワークはそういった環境だとなかなか難しいです。

そしてもうひとつ。これは完全に私自身の問題なのですが、無視するわけにもいかないのでちゃんと書きます。
自宅でPCに向かうと誘惑が多いです。笑。より平たく言うと、遊んでしまいがちです。仕事をするためにPCに向かったはずなのにネットショッピングをしたり、音楽を流したり、ネットニュースを見たり…。
これは単純に私の心が弱い以外の何物でもないのですが、自宅だとついついこういった誘惑に負けて、なかなか作業モードに入れないことがあるというのは私の場合、事実ですので、きちんと書いておきます。

カフェよりコワーキングスペースが集中できる理由

コワーキングスペースを使うようになって気がついたのですが、私が最も集中できる作業環境を一言で表すと「誰も会話していないカフェ」です。

クラシックかジャズかのBGMが心地よい音量で流れていて、皆が適度な間隔を空けて座っていて、一人ひとりが自分の仕事に没頭している、そんな空間が理想です。

「家族のいない自宅ではダメなのか」と思うかもしれませんが、私の場合はそれだと上に書いた通り(恥ずかしながら)「遊んでしまう」ことがあります…。

一方、周りに人がいると、別段周りの人が私を監視しているわけではないにもかかわらず、皆それぞれが仕事や勉強に集中していて「自分もちゃんとやらないと」という心理が無意識のうちに働くのでしょうか、遊んでしまうことが不思議とないのです。
席に座って、カバンからPCを取り出したら即集中作業モードに入れます。
これは実際に体感してみると、精神衛生的にかなり良く、帰る時はいつも「いいアウトプットを作れた」という充実感に包まれます

しかし、私にとって周りに人の目があることはウェルカムでも、そこで会話がなされるのは好ましくありません。会話の内容を問わず、作業をしに来ている私にしてみるとそれはノイズになってしまいます。
早朝は別にして、街中のカフェで、お客さんがすべて一人で来ている人ということはまず無いので、この点でもカフェは私にとっては有用な作業場所にはなり得ないのです。
※早朝のカフェは一人客しかいないことも少なくなく、まさに私が理想としている「誰も会話していないカフェ」ですので、早朝は私もカフェで作業をすることがあります。

さて、ここまで読んで「コワーキングスペースでは誰も会話していないのか」と思われたかもしれません。
これはもちろん、必ずしもそういうわけではありません。
コワーキングスペースにも依るでしょうが、スタートアップの立ち上げなのか、常に複数人で話しながらひとつのテーブルを囲んでいるようなところもあります。それこそがまさに「コワーキング」=協働するということですしね。会話せずに協働するのは難しいでしょう。

一方で、逆に「集中ブース」のような私語禁止のエリアを設けているコワーキングスペースもあります。私が使っているのはそういうところです。そこでは喋っている人は絶対にいないので、常に「誰も会話していないカフェ」状態です。

使い始めるまでは「月額費用の元が取れるのかな」等、かなり逡巡しましたが、今は使い始めてよかったと思っています。実際、週の半分以上は出入りしていますしね。元は十分に取れていると思います。


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