Independent Consultant – フリーコンサルタントの実態

フリーコンサルタントの実態 ~より充実したON&OFFを求めて、コンサルティングファームから独立して個人事業主として働く(2021年版)

独立して最初にするのが望ましい手続き

   

会社を辞めた後、コンサルティング案件の受注が確定してその仕事を始めれば「個人事業主として独立コンサルタントをやっています」と言えるかというと、それは間違いです。

実を言うと私自身、独立後初仕事の受注が先で、その後でこの手続きを行ったのですが「個人事業主」としてやっていくためには

1)個人事業の開廃業等届出書 を 開業1ヶ月以内 に 管轄の税務署 

に提出する必要があります。フォーマットは上のリンク先にありますし、記入方法を解説したサイトもたくさんありますのでそちらを参照してください。注意点としては、提出先はどこの税務署でもいいわけではなく、住所によって決められている管轄の税務署でなければいけません。しかも税務署は、東京都の場合、区ごとにひとつずつあるわけではなく例えば江戸川区には江戸川北税務署と江戸川南税務署があります。江戸川区に住んでいる人はそのどちらに行ってもいいというわけではなく、住所によって「あなたは江戸川北税務署」、「あなたは江戸川南税務署」と決められています。東京都の管轄税務署はこちらを参照の上、せっかく出しに行ったのに無駄足だったということにならないようにしましょう。

またこれと合わせて提出することが望ましいのが

2)所得税の青色申告承認申請書

です。これは開業2ヶ月以内なので、1)よりは猶予がありますが、2度も税務署に足を運ぶのも面倒ですので1)と一緒に出してしまいましょう。
個人事業主になると、自分で前年の所得金額を申告の上、税金を収める確定申告というものを毎年行わなければなりませんが、これは白色申告、青色申告と2種類ある申告方法のうち「青色申告で確定申告をさせてください」という申請書です。白色申告と青色申告の違いをものすごく大雑把に書くと

白色申告
→青色申告より簡単にできるけど控除額が少ない。
青色申告
→白色申告より大変だけど控除額が多い。

要は、青色申告の方が払う税金が少なくなるということです。これは所得金額にもよりますが、数万円という単位で変わってくることもあります。であれば多少大変でも青色申告した方がいいですよね。万が一、この書類を提出した後で「やっぱり白色申告でいいや」と思ったら、所得税の青色申告の取りやめ手続を取ればいいだけなので、まずはこれも一緒に提出しておくといいでしょう。

ちなみにこちら「申請書」という書類名ではありますが、記載内容に不備があった場合は別にして、提出後、税務署等から「承認しました」等の連絡が来ることは基本的に無いようです(私もありませんでした)。また、これは開業の時に一度出しておけば、翌年、翌々年と毎年いちいち出す必要はありません。

このへんの手続き的な話はここには到底書き切れませんので、いくつか、私が参考にした本を載せておきます。書類の記入例なんかも本には詳しく書かれていますので、これから個人事業主になる方、既に個人事業主として始めているけれどこのへんの理解に自信の無い方は、どれか1冊だけでも読んでおくといいでしょう。

→私が「確定申告のために最も役に立った本は?」と聞かれて真っ先にあげるのがこれです。500円(税抜き)という値段で、個人事業主の定番確定申告ソフト「やよいの青色申告」を使った確定申告のやり方を丁寧に画面付きで解説してくれています。なお、タイトルに「平成29年3月15日締切分」とあることからわかるように、この本は毎年刊行されているようです。その時の最新版を入手するようにしてください。

→フリーランスのイラストレーターであるカツヤマケイコさんが税理士さんに教えを請う対談形式の本。一通りのことが網羅されています。意外にも(と言ったら失礼ですが)わかりやすかったです。

→会社をやめる前にしておいた方がいいことに言及されている数少ない書籍です。これから退職するという方はここから読むといいかもしれません。

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