Independent Consultant – フリーコンサルタントの実態

フリーコンサルタントの実態 ~より充実したON&OFFを求めて、コンサルティングファームから独立して個人事業主として働く(2021年版)

50歳、55歳になってもフリーコンサルタントとしてやっていきますか

   

「50歳、55歳になってもフリーコンサルタントとしてやっていくか」、フリーコンサルタントとして独立する際に、こういった先々のことまで考える方が実際どのくらいいるのかはわかりませんが、恐らく、そんなに多くないのではないかと思います。「独立しよう」という時、その”EXIT”までは頭が回らず、独立直後の働き方・稼ぎ方に意識が集中するのが普通だと思います。ただ、現実をお伝えしますと「フリーコンサルタントとして仕事が取れず食べていけなくなった」もしくは「今は仕事が取れているんだけど、不安定な面は否めないし、今後ずっとこれでやっていく自信が持てない」等の理由でフリーコンサルタントを辞めて、どこかの企業に正社員として再就職する人は少なからずいます(他の理由でフリーコンサルタントを辞めて再就職するケースについてはまた別の記事で書きます→書きました:独立コンサルタントを辞めて会社員に戻るとき)。

このうち「現時点で既に仕事が取れず食べていけない」という話については、あえて何かを補足することもないのですが「今後、ずっと食べていけるか不安」については、ひとつ書かせてください。それは、非常にざっくり言うと

クライアント(発注元)からしてみると、50歳のコンサルタントというのは使いづらいケースがある

ということです。これは案件にもよるでしょうし、そのコンサルタントの方にもよるでしょう。もちろんクライアントがどのように考えるかにも依ります。ですので、一事が万事すべてがこういう話ではありません。しかし、フリーコンサルタント向けの案件紹介サイトに出ているような案件は、企業の経営戦略を描くようなものは稀で、よくあるのはシステム開発のPMOだったり、新規事業の立ち上げ支援だったり、といったものが大半です。そういった案件に携わるコンサルタントの年齢を想像してみると、マネジャークラスだったとしてもやはり30代が多く、せいぜい40代前半まで、でしょう。コンサルティングファームに在籍していた経験のある方は自身のいたファームのクラスと年齢層を思い浮かべてみてください。50歳でマネジャーです、っていう人ってまずいなかったのではないでしょうか。その年齢であれば、少なくともシニアマネジャーか、それ以上のプリンシパル、パートナークラスだと思います。

実力社会のコンサルティングの世界において、年齢なんて本質的ではない

というのは私もそうだと思います。ですが、上述のシステム開発案件や新規事業の立ち上げのクライアント側の責任者がだいたい40代前半までであることを考えると、彼らにしてみれば「自分より年上のコンサルタントはなんとなく使いにくい」という心理には目を向けておく必要があります。それはこちら側が「年齢じゃないですよ、実力を見てください」といくら言ったところで変わらない部分はあるのです。

50歳になっても仕事が途切れないコンサルタントになるためには、その年齢になった時には、30代のマネジャークラスの人たちと張り合うような世界から脱しておくことが必要不可欠です。具体的には、案件紹介サイトに出てこないような経営戦略等(テーマはいろいろ有ると思います)に関わる案件を自分の力で取ってこれるようになる(脱”案件紹介会社の商流”)であったり、一人で複数案件を持ちマネジャークラスのコンサルタントは下に従えるような形で動く(ファームでいうところのパートナー/ディレクターやプリンシパル的ポジション)であったりでしょうか。

独立したばかりの方の中には、当初思っていたよりも順調に仕事が舞い込んでいて、いい手応えをお持ちの方もいるかもしれません。しかし、歳を取らない人はいません。歳を重ねた時に同じ働き方では、より若い同業者に持っていかれるリスクが高いことを念頭に、ご自身のキャリアを考える必要があると思います。それは私も然り、です。

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