Independent Consultant – フリーコンサルタントの実態

フリーコンサルタントの実態 ~より充実したON&OFFを求めて、コンサルティングファームから独立して個人事業主として働く(2021年版)

コンサルティングフィーをいくらに設定すべきか

   

コンサルタントとして独立する際に頭を使うところのひとつに「自分のフィー(報酬)をいくらにするか」があります。高くしすぎると仕事は取りにくくなるでしょうし、安くしすぎると同一案件内で後から上げるのはなかなか難しいケースもあるため、案件開始後に「もっと高いフィーを設定しておかばよかった」などと思っても後の祭りです。

この「自分のフィーをいくらにするか」への答えは、案件紹介サイトを利用する場合、彼らと面談する時には必ず「フィーはいくらを希望しますか」と聞かれますのでそれまでには持っておく必要があります。その際に「ええと、逆にいくらぐらいだと案件がありますか」などと聞いてしまうと、彼らは発注元から抜くマージンを上下させることで独立コンサルタントに払うフィーを調整することが可能なため、彼らがマージンをきちんと(しっかり)確保できる前提での金額しか提示されません。こちらの言い方次第では120万円/月が出てくる可能性があった案件でも、こういう聞き方をした時点で先方から「100万円/月だとご紹介できる案件がありますけど」と言われて、以後、100万円/月で話が進むことになります。そうすると彼らのマージンは20万円/月増やせるので。

※などと書くと、案件紹介会社ってあくどいな、という印象を持つかもしれません。もちろん全ての紹介会社がこのような考えでフィーの調整をしているかというと必ずしもそうではないと思います。しかし、フリーコンサルタントからしてみれば、そこはブラックボックスであるというのは事実。バリューを出した分はきちんとフィーとして請求できるよう、そのブラックボックスの中で独立コンサルタントにとって不都合なことが起こらないよう、担保しておくには越したことはないという趣旨で上の通り記述しました。

以上を踏まえて、独立コンサルタントのプライシングの鉄則その1

いくらであっても必ず自分から希望額を伝えること

です。結果、それが高すぎても安すぎても「自分から言わない」よりは絶対にいいです。これに関連して鉄則その2ですが

希望額はピンポイントで「○万円」と言うこと

例えば「目安として、100万円~120万円/月ぐらいですね」などと、幅を持たせて言いたくなる気持ちもわかります。「120万円/月」を希望として言いながらもそれで仕事が来なかったら怖いという心理から「100万円/月でもまあ」などと伝えたくなるんですよね。しかし、こういう言い方をすると、ほぼ間違いなくその下限値でしか案件を紹介してもらえなくなります。この場合だと100万円/月でしか話が来なくなる、ということです。

これは「100万円/月の案件しか紹介されなくなる」というわけではありません。正しく言えば「100万円/月でしか案件を紹介されなくなる」、つまりは、120万円/月を払ってもらえる可能性があった案件でも「これは100万円/月の案件です」と言って紹介される可能性を生じさせてしまう、ということです。その案件が、手がけるコンサルタントにとって「100万円/月だと全く割りに合わないな」と感じさせる仕事でない限り、紹介会社としてはマージンが増えるので「100万円/月で紹介しよう」という思考になるのは、ある意味当然です。「120万円/月」欲しければ、そして「120万円/月」が自分の価値に見合っていると思えば、そのような幅は持たせた言い方はせずに「120万円/月」とピンポイントで伝えるようにしましょう。

以上、鉄則を2つ、お示ししたところでいよいよ本題の「ではいくらにするのがいいのか」に入ります。(以下では、フリーコンサルタントのフィーの相場に加えて、鉄則その3も示します)

※本稿の続きはこちらで有料で公開しています。ここまでで約1,500字。有料部分は約2,600字です。

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