Independent Consultant – フリーコンサルタントの実態

フリーコンサルタントの実態 ~より充実したON&OFFを求めて、コンサルティングファームから独立して個人事業主として働く(2021年版)

引き合いはどのくらい来るのか

   

「引き合い」、言うまでもなく提案のタネになるクライアント候補、ないしはその間にいるセールスリードからの“お声がけ”のことです。これがどのくらい来るのかによって、フリーコンサルタントとして食べていけるかどうか、その成否が決まると言っていいほど重要なファクターだと思います。

個人事業主としてやっている独立コンサルタントにどのくらい引き合いが来るのか、その答えは、当サイトに散々出てきている表現で恐縮ですが、やはり「人によります」。ひっきりなしにお声がかかる人もいれば、待てど暮らせど何の音沙汰もない人もいるでしょう。

補足しておきますと、現実にはフリーコンサルタントでひっきりなしに、それこそ毎日数件というレベルで引き合いが飛び込み続けてきている方はほとんどいないのではないかと思います。というのは、フリーコンサルタントにも繁忙期とそうでない時期があります。月~金までフル稼動している時は引き合いが来ても受けることが(ほぼ)できないこと確定ですので、そういう時は予め、周囲のセールスリードになり得る方には「いついつまでは私の稼動は埋まっています」などとお伝えしておくものですし、そうなると必然的にその間はお声もかからなくなります。

実際問題、引き合いは多ければ多いほどいいのかといえば、私の経験上、必ずしもそうではありません。なぜかと言えば、私はいただいた引き合いには必ず何かしらご回答差し上げることにしていますが、フル稼動の時に毎日数件というレベルで引き合いをいただいてしまうと、それへの回答(具体的にはメールの返信であることがほとんどです)だけでかなり手をとられてしまいます。目の前のクライアントのためにベストを尽くすという観点で考えれば、引き合いは必要な時、つまり稼動が空いている/空きそうな時ににたくさん来るようにして、そうでない時はあえてお声がかからないようにコントロールすることが肝です。

と前置きした上で、引き合いを多くもらうために何をすべきかですが、私の考えはシンプルです。

コンサルタントとしての力を付けること

抽象的な表現ですみません。「コンサルタントとしての力」って何を指しているんだ、という突っ込みを頂戴してしまいそうですが、それは私は人それぞれあっていいと思っています。重要なのは、フリーコンサルタントとして営業力(営業のテクニックやコネを含め)をどれだけ磨いても、受注した案件を遂行する能力(デリバリー能力)に勝るものはない、ということです。フリーコンサルタントは、ひとつの案件できちんと成果を出すことが次の案件に繋がる、そういう世界です。より私の実感に近い表現で言うと、目の前の案件で成果を出せない人が如何に小手先で営業をがんばったところでどうにかなるほど甘くないです。マーケティングの4Pで言うところの“Product”を徹底的に磨くことが成功するための最短ルートだと思っています。

・コンサルタントとしてのデリバリー能力を身につけていて

・自身の稼動状況を周囲のセールスリードに対してこまめに周知できている

方であれば、少なくとも2018年現在のこの景気において“引き合い”が全く無くて苦しむということはないのではないかと思います。ご参考までに、自分の話で大変恐縮ですが、私は稼動が空く=案件の切れ間ができることがわかったらその時点でしかるべきセールスリードに連絡を取りますが、その連絡から1時間以内に引き合いを頂けることも、その半日以内に次の案件の目処を付けられることも珍しくありません。こういった方は決して少なくないと思います。それこそ本稿を読まれている、これから独立しようと考えている方もそうなる可能性があります。

フリーコンサルタントとは、一朝一夕に仕込むことができる小手先のテクニックよりも、やるべきことをしっかりやることが結果に繋がる、大変やり甲斐のある働き方だと私は思います。



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