Independent Consultant – フリーコンサルタントの実態

フリーコンサルタントの実態 ~より充実したON&OFFを求めて、コンサルティングファームから独立して個人事業主として働く(2021年版)

フリーコンサルタントとして余裕をもって営業するために

   

個人事業主か法人化しているかにかかわらず、案件を獲得するための営業は余裕をもってできるに越したことはありません。独立してやっていると、特に稼働100%でひとつの案件に入っている場合、その案件が終わると収入のアテを失うことになります。収入がない期間に貯金を切り崩しながら営業活動をするのは精神衛生的にもよくないですし、結果、条件がよくない案件に飛びついてしまうことにもなりかねません。

単純な確率論の話になりますが、案件は長く探せばそれだけ自分にとっていいものに出会える可能性は上がります。それは経済条件(フィー)の面でもそうですし、案件の内容もです。考えるまでもないことですが、すぐに始められる100万円/月の案件よりも1ヶ月遅れで始まる120万円/月の案件の方が半年より長く続けた場合のトータルの売上は上です。にもかかわらず、本当は120万円/月のその案件を遂行する力があるのに、余裕の無さから、すぐに始められる確度の高い100万円/月の案件を契約する個人コンサルタントの方も現実にいます。もっとも、ひとつの案件に従事している時に他の案件情報を見ることは通常あまりないため、そういう人は「1ヶ月待てば120万円/月の案件が獲れた(かもしれない)」といったこと自体を知らないことも多いのですが。

ここでは、余裕をもって営業するために、私が普段していることを書いてみます。

案件を契約する際、「契約終了は1ヶ月以上前に通知すること」とする

例えば「3月末で契約終了するのであれば、2月末までに言ってください」と予め取り決めておくということです。案件には契約期間がありますが、その期間で契約終了になるケースもあれば、プラス3ヶ月なり、6ヶ月なりを継続発注いただけるケースもあります。この継続発注の有無も基本的には1ヶ月以上前には教えてください、としています。
こうしておけば、次の案件を探すのに最短でも1ヶ月は取れますし、これによって余裕をもって営業することができるようになります。
なお、1ヶ月以上前の通知は、私は双方に適用するようにしています。クライアントが1ヶ月以上前に言えば契約終了できるし、私もこの案件を続けたくない、と思った時は1ヶ月以上前に言えば同様に終了する権利を有する、ということです。もっとも、この権利を行使したことはありませんが、契約をフェアなものにするために、個人的には大事にしています。

案件紹介会社含め、セールスリードとはときどきコンタクトをとっておく

前提として、案件紹介会社には事前に登録しておきましょう。「フリーコンサルタント 案件」などで検索して、出てきたところのすべてに登録する必要はもちろんありません。Webサイト等を見てみて、質のよさそうなところを2~3つ登録しておくくらいでいいと思います。
案件紹介会社に登録する際、必ずしも稼働が空いている必要はありません。「今すぐ案件をご紹介いただけたとしても参画は難しいのですが、今後、稼働に空きができた場合に備えて登録させてください/話を聞かせてください」というスタンスでも案件紹介会社からしてみると”(将来的な)在庫”が増えることになります。もちろん、その人のスペックにもよりますが、そういったスタンスだとしても、彼らは基本的にWelcomeなはずです。
案件紹介会社に登録すると、これもその会社や人によりますが、時々「いま、稼働空いていますか」であったり「この案件やってみませんか」といったようなメールが送られてくるようになります。そういったメールには私は基本的にこまめに返信するようにしています。実際に案件を紹介してもらうことなど、多くても年に何回かだと考えると、メールだけであってもやり取りしておくことそれ自体が意味があると思います。
案件紹介会社以外のセールスリードというのは、以前のクライアントだったり、その他、知人・友人関係のツテだったりですね。彼らと、数ヶ月に一度でもコンタクトをとっておくことはいざ稼働が空いた時に「じゃ、お願い!」と言ってもらうためのキッカケにもなり得ます。私はこれを「将来的に営業につなげるために」と身構えてやっているというよりは、なんとなく「久しぶりに飲みにでも行こうかな」くらいの感じで旧友に声をかけるのと同じくらいの感覚でやっていますが、そのくらいの方が話していても楽しいでしょうし、相手も身構えなくて済むように思います。このへんのスタンスは人それぞれだとは思いますが。また、先方から声をかけられたら積極的に乗る、のは言わずもがなですね。
こうしてコンタクトをとっておくと、先方から案件の相談が来る頻度も高まりますし、もしかしたら現案件の終了が決まったそのタイミングで運よく案件の相談が来て、さっそく次の仕事のタネ確保となる可能性すら生まれます。(私自身、この経験があります。その時は「なんというタイミングだ」と思いました。ありがたかったですね)

 - 営業

        

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